他人に迷惑かけるくらいならタルパでも作れとか

簡単に言うけれど。


タルパを実際に0から作った人の体験談を読むと、数年かかるのがザラの世界。ある程度「マトモ」な人間なら、現実の友人を作ったほうがよっぽど簡単だと思う。

人間はそんなに簡単には狂えない。狂えるのなら、違法な薬に頼ったりする必要なんかないわけで。

私は「運悪く狂ってしまった人間」である同時に、「運良く上手に狂えた人間」でもある。

上手に狂うこともできず、死ぬこともできず、孤独に地獄を生きている人間達が、この世には腐るほど存在する。


ところで、「タルパを作れ」を本当にタルパを作れとか思って言っている人は、いないと思う。あれは、「他人に迷惑かけずに一人で死ね」を100枚のオブラートに包んだ言葉だと思う。

今の時代を象徴するような冷たい突き放しだ。しかし、この世はずっとそうだったのだと思う。異端者は昔からいじめられていたし、もっと過去に遡れば、殺されていたはずだ。

そのような人間がかろうじて生きている、生かされてしまっている時代が現代。その上、この国は今、病気や貧困でいっぱいいっぱいだ。「俺(私)に寄りかからずに一人で死ね」としか言いようがない。そして、大半の人はそれを言わずに堪えている。優しくあろうとしている。

大半の人間、悲しいほどに優しいと、私は思う。「タルパを作れ」も、包んだオブラートに優しさがある。


狂うくらいしか救いがないこの世も、狂うことすら難しい人間の身体も、大変にクソである。