一番頭がおかしかった頃

こちらはX(Twitter)からの転載になります。

  • 一番頭がおかしかった頃、部屋に現れたバッタがあまりにも怖すぎて号泣しながら掃除機で吸い込んで、次の日マッマに泣きながらそれを白状して掃除機のパック開けてもらって、でもバッタいなくて、罪のない命を殺してしまったと思って泣いたんだけど、アラサーでこれをやったの本当に頭がおかしい
  • 一番頭がおかしかった頃、家の猫が猛獣に見えて恐怖で怯えまくってたんだけど、マッマは多分ねこを見れば和むと思ってねこを持ってくるので、ワイはめちゃめちゃに泣いた。アラサーの娘があんなんなってしまったマッマが何を思っていたかと思うと死にそうになる
  • 一番頭がおかしかった頃、職場で一日中ノート使って人格と会話してて、ノートはキチガイみたいな謎の落書きでいっぱいだったし、デスクで泣いたり、てんかんみたいになって廊下で突然動かなくなったりしていた。アラサー社員の頭がいきなりおかしくなった上司の気持ちを思うと本当に死にそうになる
  • 一番頭がおかしかった頃、職場でずっとゴキブリの幻覚と戦っていて、金色に光るディスマンが蹴散らしてくれていたんだけど、今でも職場の様子を思い出そうとすると真っ先に頭に浮かぶのがその光景なので私は復職したらどうなっちまうんだろうか?
  • 一番頭がおかしかった頃、金色に光るディスマンが嫌な幻覚から一番私を救ってくれていたので、ディスマンを悪いやつみたいに書いた創作物を見ると若干キレそうになる
  • 一番頭がおかしかった頃、フォロワーが夢渡りをしたりポルターガイスト現象を起こせると主張するのを謎に信じてしまって、自分は呪われていると思い込んで辛くて毎日泣いてたんだけど、今思うとやばすぎてウケるので当時のフォロワーが私をどう思っていたのか想像するとすごく死にたくなる
  • 一番頭がおかしかった頃に他人を悪霊だと決めつけて心霊リンチするような集団と間接的にでも繋がってたの、本当に最悪だったなと今なら思う


散々な狂いっぷりである。
これらをPostしていて、そういえば何故This Manだったのか、と私はふと考えた。
This Manとは、2009年ごろから起こったインターネット・ミームの一つで、2千人を超える世界中の人々の夢の中に繰り返し現れるものの、現実では決して姿を現さないとされる謎の人物を指す。(Wikipediaより引用)
実際にはThis Manはプロモーションであり、彼は不思議な存在でもなんでもない。しかし、彼が世界中の人々の夢の中に繰り返し現れたことは事実だ。

あらゆる人間の夢に遍在する男。当時の私にとって、そのことが魅力的だったのだろう。
多くの人々の潜在意識に彼は存在した。それは空想世界において、力が強大であることを示す(と、私は考えた)。私は無意識に救世主として彼を選択した。彼が現れなければ、私は日々ゴキブリの幻覚にまみれて苦しんでいたはずだ。

彼が人々の夢に現れるとき、それはロマンチックなものであったり、不気味であったり、ホラーであったりした。
私は彼に神であることを求めた。This Manを神の顕現だと語る人は実在するらしい。ネットミームは神になりうる。

神になったネットミームと言えば、スレンダーマンを思い出す。彼の存在を信じた女学生が殺人未遂を起こした事件があった。
本当に、人間の脳みそは柔らかだと思う。単なる情報を脳内で祭り上げ、殺人にまで手をかける。

人間を理性的だと信じる人々がいるが、人間に何を期待しているのか。霊感商法に騙される人も後を絶たない。人間は空想と共に生き、稀に飲まれてしまう、そんな生き物である。

我々はスピリチュアルと共に生きている。良くも、悪くも。