VTuberになりたかった

肩書きが欲しい。肩書きを持って、同じ肩書きの人たちと仲良くしたい。
そんな思いがずっと拭えずにいる。

VTuber活動をしたいわけではない。長話は苦手だし、ゲームも不得意だ。歌も下手くそで、作曲なんて当然できない。動画配信なんて目的意識がなければ続かない大変なことは、私はやりたくない。ただ、肩書きと仲間が欲しいのだ。

アカウント(ようは肩書き)だけを作って、Vの立場を利用して推しVTuberに絡むような人がいる。いいなあ。なんの活動もしていないのに、Live2Dの作者が同じだってだけで姉と呼んだりしてさ。
私がしたいことはまさに「それ」なのだと思うけれど、私はそんな、迷惑行為を平然と行う人間にはなりたくない……。

私にはなんの能もない。というわけではなく、私は絵が描ける。特別上手くはないが、下手でもない。素人としては「そこそこ」だと自負しているけれど、他人に教えたり工程を見せたりするほどの実力は無い。微妙な絵がちょっと描けたらなんだって言うんだ。絵なんて一番外注できる部分じゃないか。そんなことばかり考えてぐずぐずしている。

ああ、何もせずに実績だけついてくればいいのにな。一生全力モラトリアムだ。この言葉、数年ぶりに使ったな。

最近よく、オタクがみんなWebサイトを作っていた時代のことを思い出す。あれは私の城だった。WordPressをサーバーにアップロードして、いろんな機能を調べて拙いPHPを書いて、cssを弄っているだけで楽しかった。今はあんなもの、作ったところで誰も訪ねやしない。あんなものより、Instagramを、YouTubeを、TikTokをやらなければ。

最近、ジオシティーズ終了のニュースを数年ぶりに読み返して泣いた。あの頃の私は王様だった。自分がとんでもないインターネット老害に成り果てていることにまた泣いた。
若者についていけない、若者についていけないよお。うああ。

盆栽でもやるような気持ちで絵を描いている。

それしかできない。