萌え絵描きに失望し続けてきた

前提として、私は萌え絵が好きな方だと思う。
泣きゲー系美少女ゲーム全盛期を経験し、樋上いたるみつみ美里が大好きだったおばさんだ。Kanonに出会った時は感動した。CLANNADは人生だと今でも思っている。現在の美少女イラストも可愛いと思っているし、私自身も、萌え絵のようなものを描いている。セクシーな女の子を描くこともある。ある上で、私は萌え絵に失望し続けている。

今まで、萌え絵は何度も炎上してきた。私は碧志摩メグの頃から、その批判者であるフェミニスト達に、内心、一定の共感を示し続けてきた。
私はなにも表現規制派ではない。萌え絵が公共の場に絶対にあってはならないとか、そんなことは考えていない。それでもフェミニスト達に感情としては共感せざるを得なかった。公共の場における萌えキャラクター達に対する漠然とした気持ち悪さがあり、私自身、その感情の正体を言語化出来なかったからだ。
しかし今では、フェミニスト無関係に自分の感情を言語化することができる。私は極々個人的に、ただ絵描きたちに失望しているのだということを理解したからだ。

絵描きが描いている美少女達は存在しない。当たり前の話だが、私は萌え絵描きやその擁護者たちがそれを理解しているとは、到底思えない。生身の女による嫉妬だの、現実にも乳袋は存在するだの、描き手は女だの、どうでもいいことばかりを口にする。一つ目なんか、ただの侮辱だ。
描かれた美少女達は、絵描きの意思そのものだ。絵描きがそう描きたいと思ったから彼女達は乳袋を持っており、スカートの股間部分に謎のシワが寄せられているのだ。描き手はセクシーな絵を描きたいからセクシーな絵を描いたのだ。そして、公共性の高いキャラクターにセクシーな描写をすることを、描き手は自ら選んだのだ。

描き手の意思が透明化されて当然という空気感に、私は最初からずっと辟易していた。絵そのものではなく、描き手と擁護者がずっとずっと気持ち悪かった。

公共性の高いキャラクターがセクシーな描写を持つことの是非は、私にはわからない。私個人は個人の感想として、絵描きや企画者が気持ち悪いと思う。
萌え絵の絵本などを見ればわかることだが、それらに胸部や股間の不自然な強調は見られない。低年齢向けのアニメもそうで、顔が美少女であろうと彼女達の身体やポーズはフラットに描かれている。描き手が自分の意思でそう描いている。公共性の高いキャラクターにおいては、絵描きはそういった心がけを持つべきだと私は考えているし、性的なニュアンスを盛り込んで平気な顔をしている絵描きは、私は気持ち悪い。ただ、もう一度言うけれど、私には是非はわからないし、これは私の個人的な感情の話にすぎない。

私は多分これからも気持ち悪いなあと思い続けるし、稀に発言したりもする。私の極々個人的な選択として。フェミニストにも共感しないし、表現の自由云々言っている人達とも一切連帯しない。

絵は絵描きの意思で描かれているということがもう少し周知されることを、心から願っている。
批判されたキャラクターが可哀想とか言うけれど、批判されているのは絵描きや企画者なんだから、女が美少女を虐めてるような構図を作り上げてニヤニヤするのやめなよ。
本当に気持ち悪いです。